【予算って何?】シーリング(概算要求の基本方針)

2022年2月13日

予算のニュースを見ると、概算要求シーリングといった言葉を目にする機会があると思います。

では、シーリングとは何なのか、具体的に令和4年度予算概算要求を例に見ていきましょう!

シーリング

シーリング(天井)とは予算要求上限額を示している言葉で、毎年7月頃閣議了解され、そのシーリングを踏まえて要求額・内容を各省庁各局が検討・調整していくことになります。

初見だとわかりずらいのですが、

「裁量的経費であれば対前年度比10%削減した分、新たな成長推進枠としてその3倍(対前年度比30%)を要求しても構わない。さらに義務的経費(人件費等)の削減額も同様に、新たな成長推進枠として削減額の3倍を新たな成長推進枠として要求しても構わない。」

と読み解けます。

では、一体、裁量的経費や義務的経費、新たな成長推進枠とは一体何なのか。

https://www.mof.go.jp/policy/budget/budger_workflow/budget/fy2022/sy030707b.pdf

義務的経費

義務的経費とは、要は『人件費などのこと』です。職員の人件費は義務的に必要なものですよね!

https://www.mof.go.jp/policy/budget/budger_workflow/budget/fy2022/sy030707.pdf

裁量的経費

要は「その他の経費全般」のことです。

「単純に対前年度比1.0で要求するのではなく、重点化して対前年度比0.9の範囲内で要求すること」という意図が読み取れますね。

https://www.mof.go.jp/policy/budget/budger_workflow/budget/fy2022/sy030707.pdf

新たな成長推進枠

『新たな成長推進枠』は時の政権が特に重視する施策に対する予算要求となります。

例えば、令和4年度予算においては、

『グリーン、デジタル、地方活性化、子供・子育て支援への予算の重点化』を図るための内容を「新たな成長推進枠」としてしっかりと予算要求をしてくること

と読み取れます!

https://www.mof.go.jp/policy/budget/budger_workflow/budget/fy2022/sy030707.pdf

概算要求額(対前年度伸率)

例えば国土交通省の概算要求資料を見てみると、令和4年度予算概算要求額(一般会計国費)は、約6兆9349億円(対前年度伸率1.18)であることがわかりますね。

うち、新たな成長推進枠は1兆989億円(要求額全体の約23%)と示されています。

https://www.mlit.go.jp/page/content/001420386.pdf

このように毎年度、概算要求基準(シーリング)が閣議決定されると、各省庁はその基準に沿って概算要求内容を検討し計上していくこととなります。

それが終わると9月から年末の予算編成に向けて、財務省との厳しい折衝が始まることとなるのです。

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