官僚の方にも是非読んでもらいたい一冊!『アジャイル仕事術』

VUCA時代の働き方・動き方の参考に

先が見通せず、ゴールが見えない現代における働き方・動き方の非常に参考となる書籍です!本書の冒頭部分だけでも読む価値があると思いますので、忙しい皆様にも是非手に取っていただきたいです!

超速で成果を出す アジャイル仕事術 プロフェッショナル2.0という働き方 [ 坂田 幸樹 ]価格:1,650円
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軍隊式では『遅い』

上位下達型、トップダウン型、軍隊式で意思決定をしていく時代は過ぎ去ってしまったんだろうと感じました。上司が全能であるわけはなく、昔のように重要な情報も上司のところにすべて集まるわけではないため、メンバー皆で多角的な視野でもって、策を考える時代になっていると思いました。
昭和の時代は欧米という答えに向かって追いつけ追い越せで頑張れば成果の上がる時代だったんでしょう。しかし、私達が生きてきた時間は成長することなく、失われた30年と呼ばれるような時代でした。なぜ、そうなってしまっているのか、ものすごく考えさせられる一冊でした。

いかに他業種・他業界、国外を見ていくのか

ただ、海外や他業界の話をぼーっと集めるだけではなく、『いかに我が事として、参考にして、新たな打ち手を考え出すことができるのか』が問われています。幅広く知識を身につけていかなくてはならない状況ですが、『何をどう知っていくのか』は仕事の種類や立場で変わってくるでしょう。官僚の立場と民間人の立場でも大きく異なるでしょう。官僚でも技官と事務官で大きく異なるかもしれません。
求められる役割を果たすために、いかに日頃から情報のアンテナを高くして、あらゆる者とのコネクションを強化できるか、そんな人がこれからは重宝される気がします。しかし、時間は有限です。

これからは、一層限られた時間で意味のあるディスカッションができ、示唆を得られる人を見つける能力が問われます。トップのあり方も軍隊型とは全く異なる姿が求められるでしょう。

すべてを『自分』で勉強し把握することは不可能

ひと昔前であれば、それこそ知の巨人のような素晴らしい伝説的な先輩方がいらっしゃったかと思います。私も官僚時代に『なんでこんな視点で物事を見れるのか?』と、不思議に思う先輩方を多く見てきました。
私自身もそんな先輩方に追いつけるよう、無理をしていたのかもしれません。心身を壊した今となっては『焦らず生きろ』と言い聞かせたいですが。
さて、時代の変化が早く、先の読めない時代に、先手を打たなくてはならない状況においては、そんな優秀な方々ですら、より良い解を自分一人で思いつくことは難しくなってくるでしょう。上司が必ずしも正しい判断ができるわけではないという前提で、先入観なく議論できるだけの人材育成が求められているはずです。

謙虚に聞き学び、仮説(制度・施策立案)を立て、検証を指導できる人が求められる

人の時間の使い方には、それぞれ個性があって然るべきですよね。その多様な経験を統合し、あらゆる仮説を立てられる組織が強い組織でしょう!

そのためには何ができるのか。

『余裕のない時でも、時間を取ったら何か新たな視野を与えてくれる、信頼できる人』を多く見つけておくことかもしれません。

人生、忙しい時もあれば忙しくない時もあるでしょう。忙しくない時に『人探し』をし、コミュニケーションを深めておく、忙しい時は知りたい分野について『人脈を切り札』として活用する、そんな仕事の仕方ができると良いですね!私も誰かに少しでも頼ってもらえるような人になれれば幸せだなぁと思います。

まずは少しの気構えから実践!

今、まったく余裕のない方も多いでしょう。官僚の方も毎晩疲弊していることでしょう。
私も比較的忙しい部署にいたことがありますが、その中でも面白かった記憶というのは、まじめに施策を議論した記憶です。私のいた時代は、上司の経験や視座の高さに関心しつつ、アイデアをぶつけながら形にしていくことがやりがいであり、醍醐味だったように思います。しかし、そんな関係も今は古いのかもしれません。上司も部下もなくメンバー間の知恵や経験を出し尽くし、そこから新たな施策を生み出していく姿があるべき姿でしょう。
あまりにも忙しいと議論する余力などなく、ただの作業員となりがちですが、そんな時こそ視野を広げてみる努力をしてみてはいかがでしょうか?いつか自分が意思決定者となる時に備えておきたいですね!