ハイブリッドダム!?

ハイブリッドダム(仮称)の取組が始まった

国土交通省の令和4年7月26日の記者発表をみると、ハイブリッドダム(仮称)の取組が始まったようです。

この冬、夏の節電要請等で注目を浴びた揚水式発電など水力発電ですが、国交省としても新たな考え方を示したようです。カーボンニュートラル電源としても、ダム好きな私は大変注目しています。

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ハイブリッドダムとは?

ハイブリッドダムとは、

「ハイブリッドダム」の取組とは、ダムを活用し、「治水機能の確保・向上」「カーボンニュートラル」「地域振興」の3つの政策目標の実現を図るもの

とのこと。

どのあたりが新しいのか、記者発表資料を詳しくみてみましょう!

(出所 国土交通省HP、https://www.mlit.go.jp/report/press/mizukokudo03_hh_001128.html、令和4年7月27日閲覧)

何が新しいのか?

ハイブリッドダムの展開としては、治水機能強化+水力発電促進+地域振興といったそれぞれは新しいものではないようですが、

  • ハイブリッド容量※の新たな設定
  • 新たな事業体制の構築

※ハイブリッド容量とは、従来の洪水調節容量について、洪水時には洪水調節のために活用、平常時には治水に支障の無い範囲で、最大限、発電のために活用する容量として新たに設定するもの。

の2点が注目ポイントでしょうか

平時のベースロード電源機能+αの機能が期待できる?

ダム等による大規模水力発電といえば、ベースロード電源で系統にのっているイメージがあるかと思います。

今回の方向性では、ハイブリッド容量の範囲内で水位運用を最大化できるようなので、今年の夏冬のように、需給ひっ迫時の「需要が増大する時間に合わせて発電容量を増加させる運用も可能」となるのではないか?と期待してしまいます。

発電については専門性が全く無い素人なので、詳しくはわかりませんが、、、既に系統にのっている比較的大規模な電源がこの制度で需要に応じて発電量を少し調節できるようになれば、例えば夏のお昼に合わせて水位を高く(発電量をあげる)するような運用もハイブリッド容量内で可能になるという理解でしょうか?

所管省庁を超え、ダム再生と合わせたこのような取組が進むことは非常に興味深いです。既存ストックの最大限の活用について、本気で取り組んでいる様子が伺えますね!

新たな事業体制(SPCなど)

これも河川の世界では新しい考えかと思います。新たな事業主体としてSPCのような運用主体を想定しているということでしょうか。

民間の再生可能エネルギー発電事業者にとって、魅力的な制度であることがより伝わると良いのでしょうが、それは今回始まった官民対話での民からの要望等を踏まえて、制度化なども考えていくのでしょう。

この取組の行く末が非常に気になりますね!

個人的にはもっと行ってみて楽しめるダムが増えることは非常にうれしいですし、ワクワクした気持ちになってきます!皆さんも注目していきましょう!次回以降の技術士試験のネタにもなるかもしれませんし。