【全国一斉点検から対策実施の流れ~基本方針河道も考えよう~】明治用水頭首工漏水問題を受けて(令和4年5月20日時点)

2022年5月20日

報道をみると、国営取水施設390箇所、緊急点検を実施するようですね。

国営取水施設390カ所、緊急点検へ 農水省:朝日新聞デジタル (asahi.com)

昨日投稿した記事でも触れましたが、よくある『災害発生』→『全国一斉点検』→『対策箇所抽出+優先順位付け』→『対策の早期実施』となりそうな気配ですね。

緊急的に修繕が必要な箇所を出水期にどう対応するのか

なかなか予算が不足してきていた状況にあることから、修繕が必要な施設も多いのではないかと懸念しています。スピード感からいくと、今年の出水期中に対策まで実施することは難しい(予算的にも)とは思うのですが、本当に危険な箇所があれば出水期であっても工事ができるような修繕技術があると良いんだろうなと感じます。新技術開発の種はこのような事態をきっかけに見つかることもあるのではないでしょうか?

今後は?

私の経験した範囲ですが、

  • 災害が起きると同様の被災が生じうる箇所の一斉点検を早急に実施
  • の対策に係る予算を補正予算で計上
  • 工期上、次年度に係る部分は次年度当初予算で優先配分

するといった流れになるでしょう。

この出水期、代かき期をなんとか乗り切ってもらいたいものです。

対策実施の際、考慮してもらいたい事項

ここで縦割りの考え方をぜひ捨てて、省庁横断で取り組んでもらいたいなと思うことがあります。

  1. 「修繕が必要となった取水設備の対策」を講じる際、上下流バランス等も踏まえて治水機能も向上させられるのであれば、合わせて河道掘削などの対策も連携して実施したら良いのではないか?
  2. 河川整備計画上、頭首工などの大きな横断工作物を改築することは事業費が嵩むため、整備計画メニューとして位置付けられていないことが多いかと思うが、基本方針上必要であれば、この機会に先行的に『治水機能アップ』も見込んだ『改良』をすることを検討してみてはいかがか?

の2点です。

特に、2点目は、近年、気候変動により災害が頻発化・激甚化している中で、『重要構造物の改築への先行投資』の重要性が高まってきていると考えられるため、国土交通省も農林水産省と連携して、どのように河川を整備・維持管理していくのか、しっかりと考えていくことが望ましいと思っています。

場合によっては、緊急的に河川整備計画メニューの一部見直しも合わせて実施し、頭首工等横断工作物の改築をメニューに位置付け、早急に対策を実施することもアリではないでしょうか?

水管橋の破損などのニュースもありましたが、橋梁だけでなく、これら河川を横断する重要インフラの老朽化対策もまった無しの状況です。

我々の生活の安全・安心を確保するため、国交省、農水省、厚労省等関係者が連携して、流域治水の取組を一層推進していってもらいたいと思います。

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