【ブラック霞が関?】超勤手当推移分析〜10省庁比較 総務省・文科省・農水省・法務省予算書合ってる?〜

2022年3月12日

主旨

すっかりブラックで話題になりがちな霞が関ですが、残業代(超過勤務手当)について令和4年度当初予算で増額査定をされた省庁が多かったという明るいニュースがありましたよね↓

https://www.asahi.com/amp/articles/ASQ2Q4F1DQ2QULFA009.html

そこで、まずは国交省を例に過去からの推移を分析したところ、約20年前は超過勤務手当予算が半分以下だったことがわかりました。

今回は比較対象を拡大して、10省庁の過去からの推移を分析し、2001年の省庁再編時からどれだけ超過勤務手当が充実してきているのかを見ていきたいと思います。

なお、あくまでも霞が関(本省分)なので、地方支分部局は別予算です。感覚的には地方は残業代がしっかり出ている印象があるのでご心配なく!

比較対象 10省庁

今回比較するのは、

総務省・法務省・外務省・財務省・文部科学省・厚生労働省・農林水産省・経済産業省・国土交通省・環境省

の10省庁とします。では、早速分析していきましょう!

比較・分析

整理・分析したところ、以下のような推移となりました。

2001年度と2022年度を比較した結果をまとめると、

伸率が100%を超えている省庁(つまり約20年前は半分以下だった)は、国土交通省・外務省・厚生労働省・環境省

■伸率が50%を超えている省庁(つまり約20年前は2/3以下だった)は、総務省・法務省・文部科学省・農林水産省・経済産業省

■伸率が約14%の省庁は、財務省

となっています。

結構、残念で衝撃的な分析結果です。

過去の諸先輩方の多くが労働搾取されていたんだろうなと想像します。。。。

だからといって、今の若い世代からも不当に労働搾取して良いかというと、そういうわけでは無いはずですよね!

【10省庁分析・比較結果詳細】

10省庁 超過勤務手当 予算伸率ランキング(対2001年度)

では、対2001年度の予算伸率ランキングを整理した結果はこうなります。

厚生労働省、外務省、国土交通省、環境省など、100%を超えている省庁はインパクトがありますね。

一方、財務省は14.4%しか伸率が上がっていないということは、これまで適切に残業代が支払われていたということなのでしょうか?それとも令和4年度予算でも適切な額が措置されていないということでしょうか?実態が気になりますね。

(出所 各年度予算書よりSK作成)

予算書の誤り?

データを整理していると誤り?を見つけました。資料の見方が異なるのかもしれませんが疑問です。

  • 令和3年度の総務本省の超過勤務手当の値は、令和4年度予算書と令和3年度予算書のどちらが正しいのでしょうか?

(出所 令和4年度予算書、令和3年度予算書にSK加筆)

  • 同様に、文部科学省の予算書でも平成27年度の予算額の違いを見つけました。

(出所 平成28年度予算書、平成27年度予算書にSK加筆)

  • 同様に、農林水産省の予算書でも平成22年度の予算額の違いを見つけました。

(出所 平成23年度予算書、平成22年度予算書にSK加筆)

  • 同様に、法務省の予算書でも平成15年度の予算額の違いを見つけました。

(出所 平成16年度予算書、平成15年度予算書にSK加筆)

定員の推移

定員の推移をみると、ここ10年程度は横ばいですが、それより前と比べると大幅に減っていることがわかりますね。実員と定員は異なりますが、傾向としては概ね実態を表しているのではないでしょうか。

定員が多かった時代の方が、本省の超過勤務手当の予算が少なかったということは、諸先輩方は本当に残業代をあまりもらっていなかったんだなと感じますね。悲しいですね。

(出所)R3_0401_teiin_suii.pdf (cas.go.jp)

まとめ

なかなか衝撃的な実態が明らかになりましたね。

また、予算書の予算額の違いもわかりましたね。合っているのでしょうか。(計上方法の違い?人手不足による確認不足が原因?)

私はもう霞が関を離れた身ですが、超過勤務手当については過去に遡って実態を整理し、ある程度支払ってもらってもいいのではないかなぁと個人的に思ったりしています。

行政課題も多様化し、時代の変化も激しい世の中ですが、霞が関の官僚の皆さまには日本をより良い国にしていただけるよう、一層の活躍を期待しております。

これからも日本を支えていただく官僚の方々の処遇が適切なものとなることを外から祈っています。

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