R5年度技術士(建設部門_河川)(1)勉強法〜令和5年度水管理・国土保全局予算決定概要〜

2023年1月2日

R5年度技術士二次試験(河川)に向けて

さて、年が明けて、今年2023年こそ、技術士二次試験を受けてみようかなと思っている方も多いのではないでしょうか?私は数年前に河川で取得したのですが、その時の勉強を振り返った時、次年度の当初予算編成が終わったこの時期くらいから、意識しておくと良いのではないかなと考えています。
なぜ『水管理・国土保全局予算決定概要』が勉強資料として良いのかは次で紹介しますね。

まず、専門科目河川の勉強を始めるなら『水管理・国土保全局予算決定概要』のチェックを!

当初予算決定概要は、各局(特に原局)の『今、まさに注力している施策、重要な施策、新規施策がまとまっている資料』です。
私も本省時代には作成に携わった時期もありますが、内容の一言一句までかなり力を入れて作った想い出があります。
夏の概算要求も各局の気持ちはかなり力の入っているものですが、財務省折衝後の『予算決定概要』が新規制度が整理されたものとなっていることから、概算要求資料と合わせて目を通さなければならない資料の一つです。
もちろん仕事・実務としても非常に役立つ資料でもあります。
私も仕事柄、技術士の試験勉強とは関係なく、毎年チェックしているものですが、今回は技術士試験に向けてどこに着目していくと良いのかなどを整理してみたいと思いますね。

(出所:https://www.mlit.go.jp/page/content/001580229.pdf)

R5年度の水管理・国土保全局の打ち出しは?

さて、R5年度の予算関係施策の打ち出しは何になっているのか、早速予算概要を見ていきましょう!!どんな内容になっているのか、楽しみですね!

まずは、基本方針を見てみましょう!

(出所:https://www.mlit.go.jp/page/content/001580229.pdf)

これをみると、次年度の方針としては

①流域治水

②インフラメンテナンス

③DX

④GX

⑤環境、賑わい創出

が柱となっていることがわかりますね。

次に主要項目の説明を見てみましょう

これ自体は特に目新しさは感じないラインナップといったところでしょうか。

新規制度関係

着目すべきは新規制度関係のようですね。どのような新規制度が打ち出されているかを把握することで、今の水管理・国土保全局の注力したい課題なども見えてきますので、ぜひ皆さん一読してみましょう。
早速、気になるものを見ていきましょう!

(出所:https://www.mlit.go.jp/page/content/001580229.pdf)

(出所:https://www.mlit.go.jp/page/content/001580229.pdf)

(出所:https://www.mlit.go.jp/page/content/001580229.pdf)

流域治水関連

注目すべきは、特定都市河川浸水被害対策法の改正関連で、「特定都市河川流域内の貯留保全機能区域内」の対策が位置付けられたことでしょう!
(※個人的には流域水害対策計画の作成に係る「調査・検討」に個別補助事業があたるという点も気になってはいますが、技術士試験的にはそこまで予算面の補助が入る入らないは大きな話ではないかもしれません。)
流域全体を見て既に今意図的に氾濫原として残している部分などに対する手当を拡充ということで、目標対象洪水を河川内(堤防内)に収めきるという概念から、意図的にあふれさせてその対策をちゃんと国として支援するというスタンスへの変更ということでしょう!予算面でもこのような手当をするという点をみるに本気で治水のあり方、考え方の変わり具合を確認することができますよね!
そもそも、貯留保全機能区域とは何か、よく理解できていない方も多いかと思いますので、その概念がわかる資料を参考に以下に示します。

(出所:https://www.mlit.go.jp/river/kasen/ryuiki_hoan/pdf/gaiyo.pdf)

(出所:https://www.mlit.go.jp/river/kasen/ryuiki_hoan/pdf/gaiyo.pdf)

(出所:https://www.mlit.go.jp/river/kasen/ryuiki_hoan/pdf/gaiyo.pdf)

あとは、災害復旧で遊水地内の土砂撤去が明確にできるようになったことも非常に予算制度としては大きいですね。これまで地内管理の一環で河川管理者が可能な範囲で対応していたところと思いますが、災害復旧事業でできるようになったことで、迅速な洪水調節機能の回復にも資するでしょうから、河川管理者としては大きな変更ですね。災害復旧事業だと実質ほとんど国負担で実施できるのも魅力でしょうか。

その他の事項はそこまで気になる部分は無いかな(河川としては。下水はGXで動きが活発だなぁという印象)と思っています。

また、年明けのこれから、ポンチ絵等が徐々に明らかになってくると思うので、その資料も楽しみに待ちながら過ごしていきましょう!
『勉強』と思うと腰が重いかもしれませんが、少なくとも『トレンド』を追う、新しいことを考えてみるという視点に立つと、これらの資料の見方も楽しめるようになってくるものと思われますので、今年も1年、河川に向き合っていきましょう!!
今年もよろしくお願いします!

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Posted by SK